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ヒッチコック

映画

作品雑感

※ネタばれ注意!

ロープ(1948年公開/4点)

ずっと長まわしのワンショットが続く室内劇と聞いていたが、人物の背中にクローズアップすることで何度かうまく編集しているのですね(あと、鶏を絞め殺す話のくだりで1回スチュアートの顔に切り替わる)。1本のテープで80分も撮影するのは無理なので当たり前といえば当たり前だが。
ラストは、スチュアートがチェストを空けて目を見開いて驚く→なんとチェストの中は空っぽ!→死体はいつどこへ行ったのか?→謎解き……という流れになるのではと思いながら見ていたので少々拍子抜け。
その後も、教え子の殺人犯2人を批判しているようで、実はすべてスチュアートが仕組んだことだった(スチュアートこそが自分を優れた人間だと信じ込んでおり、完全犯罪を試した)……といったラストにならないかと期待していたのだが……。
恩師役のスチュアートと冷徹な犯人ブランドンの2人はかつて恋仲(同性愛)だったという意図もあるらしいので、そういう観点でストーリーの裏を想像するのも面白い。
(2011.7)

ダイヤルMを廻せ!(1954年公開/4点)

妻を殺そうとする元テニス選手。
室内劇の傑作。
冗長にも思われた謎解きシーンにも意味があったと分かり納得。
とにかくタイトルが秀逸。

(04/01/2003)

ハリーの災難(1956年公開/3点)

死体を巡るほのぼのコメディの世界がとても心地よい。
欲を言えばあっと驚く結末が欲しかった。
保安官助手との対決も最後まで盛り上げて欲しかったし。
(02/12/2003)

知りすぎていた男(1956年公開/3.5点)

見所はなんといってもオーケストラのシーン。
あの緊張感は凄い。

ラストはあっさり。
初期の手塚漫画を読んでいるような感覚で楽しめた。
『暗殺者の家』のリメイク。ケセラセラ。

(02/14/2003)

めまい(1958年公開/4点)

細かなストーリーはともかく、見せ方が圧巻。
2度ある塔のシーンの緊迫感は満点。

ラストのシスター、鐘を突くのが手際よすぎなのが印象深い。
「あのラストにはついていけない」という意見も聞くが、驚きを追究するならやはりこうでなくちゃ。

(03/02/2003)

北北西に進路を取れ(1959年公開/4点)

とにかく見せ場が多い!
以下は、印象に残ったシーンのメモ。

  • 酔わせてから盗難車に乗せて崖から落として殺す手口。
  • 満員のエレベーターで「うちの息子を殺すの?」と言う母親。
  • 寝台列車「20世紀号」のシーン
  • 地平線の見えるハイウェイのシーン(延々と台詞がないので寝てしまった。相変わらず集中力のないおれ)
  • オークション会場のシーン。
  • 歴代大統領の像があるラシュモア山のシーン。
  • メモをとったメモ用紙の下のメモを鉛筆でこすって……。
  • 空砲。
  • イニシャル入りのマッチを投げる。

深い映画ではないが、次から次へと事件を起こすやり方は後の色々な映画に影響を与えているのだろう。

勝手に感じた深そうなテーマは「ひとりを犠牲にして大勢を助けることの虚しさ」。
犠牲にされる人間を愛する者にとっては、たまったものじゃない。

<関連リンク>

(01/22/2005)

サイコ(1960年公開/4.5点)

警察から逃げる時の緊迫感。
有名なシャワーシーンの緊迫感。
探偵が殺される時の素早さ。
とくかく印象に残るシーンが多い。
ベイツモーテルのテーマパークがあったらきっと何もしなくても怖いだろう。

  • 映画の元ネタとなったエド・ゲイン事件

(04/10/2003)

鳥(1963年公開/4点)

静と動の繰り返し。
とにかく怖い。
もうジャングルジムには登れない。
オチがないのが残念。

(04/11/2003)

マーニー(1964年公開/4点)

赤い色を怖がる泥棒女マーニーを無理矢理妻にした若き社長。
彼女のトラウマでラストまで引っぱる。
泥棒シーンの構図と掃除おばちゃん、可哀想な馬、ラストでドアを開けたときのあどけない子供の顔が印象的。
問題の夜をすべて映像で再現してくれたのにはスッキリ。

(04/01/2003)

引き裂かれたカーテン(1966年公開/3点)

婚約者に黙って東ベルリンに向かう科学者。
見せ場は多いがストーリーのヒキが弱いのでちょっと退屈する。
「火事だー」や、籠のシーンはさすが。

(05/08/2003)

フレンジー(1972年公開/4点)

タイトルの通り逆上しやすい男が主人公。
(以下ネタバレ注意)
連続殺人犯は主人公!?……と思わせておいて実は親友の心やさしき男が犯人というベーシックな展開だが、殺人時の止め絵や静けさなど、ヒッチコックの手法が生きていてとても楽しめる。
前半を「誰が犯人か分からない」仕掛けにしてもっと引き延ばし、後半もブレイニー、ラスク、警部の3人が再会するまでをもっとドラマチックに描けば超大作にもなったかもしれない(後半は法廷劇にしても面白そう)。
ぜひ『24』のキーファー・サザーランドにリメイクしてもらいたい。

  • 冒頭からの流れるような展開は見事。ド派手さはないがツカミOKとはまさにこのこと。
  • ラスクの犯行方法は乱暴過ぎ。現在の警察にはとても通用しない(当時の警察にもか)。
  • 最初の暴行シーン。決して取り立てて大げさに描いてはいないのに、なんとも言えない緊迫感がある。これがヒッチコックのバランス感覚か。
  • かくまってくれた戦友の奥さん最高。殺人犯かもしれない男に対して、あそこまではっきりモノを言えるのは逆に貴重だ。
  • ついついオチを求めてしまう体質の私。ラスクを無事に退歩して無罪放免になったブレイニーがネクタイを外して「実は2人より前の連続殺人の犯人はおれだったんだけどね」とニヤリと笑うラストシーンが中盤で思い浮かんでしまった。
  • 私が見たのはたぶんカットシーンがあると思うので、今度またノーカット版を見たい。

(2006.10)

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