冥王代

地球年表

 冥王代には、「地球」「海」「生命」の3つが誕生した。  大きな事件としては「ジャイアントインパクト」と数回の「全海洋蒸発」が起こった。

冥王代年表

冥王代より前

  • 45億6700万年前:太陽系の誕生

冥王代

  • 45億年前頃:プレ地球時代
    • 現在の10分の1の大きさ。
    • 一面の赤い世界。大気の量が多く、赤い光しか通さない。厚い雲。
    • 溶岩の海と小島のみで大陸はない。
    • 現在の水金地火のエリアに同じようなミニ惑星が20ほどあった。
    • 火山性有毒ガス。酸素や水はない。
  • 1000万年の間、平穏に太陽の周りを回っていたミニ惑星たち。互いの重力に引かれ合い、衝突。水あめのように溶けるミニ惑星たち。
  • 衝突の回数が多いほど、大きな惑星になる。水星は1、2個。金星は8個前後。地球は約10個。火星は1個。
  • 44億年前(44億1700万年前?):ジャイアントインパクト
    • 年代は45億3700万年前という説が一般的だが、ここでは新説を採用した。
    • 原始地球に、同じ公転軌道上にいた火星サイズの天体「テイア」が時速4万kmで大衝突(入射角45度でかすった状態)。
    • 原始地球は溶解。テイアは粉砕され、原始地球の岩石とまざって月に。月の比重が地球側にあり、いつも同じ面を向けている点にも合致する。
    • 月の組成が地球の組成と似ていることがこの説の裏付けとなっている。
    • 番組では、最後のミニ惑星が地球と衝突する様子をCGで再現していたが、その様子は圧巻。衝突の勢いで溶けた岩石が宇宙空間へ。破片の一部は地球表面に戻らず地球の周りを回った。ミニ惑星が中心を外れたところにぶつかったため。当時の地球上から見るとまるで土星の輪のように見えたのではないかとのこと。その岩石たちはいつしか集まって月に。
    • 「ミニ惑星が思いのほか多く衝突して地球が大きめのサイズになったのは、生命が繁栄するためにはよかった。隣の惑星火星は、かつては海もあったが、引力が小さいために引きとめられなかった」とのこと。小惑星の通過などで失われたのだろうか?
  • 衝突直後の地球の1日の長さは6時間。4億年前の1日は21時間(1年は410日)。今もどんどん遅くなっているのだそうな*1
    • サンゴの日輪(1日ごとに増える層)を数えて割り出すとそうなるらしいが、何をもって1年分としているのだろうか。公転周期は昔も今も一定だというのだが、何をもってそれがわかるのだろうか。
  • 同(ジャイアントインパクトの1〜100年後):月の誕生
    • 地球と月の距離は2万km。
    • 当時の地球の自転周期は5〜8時間。
      • 速い自転により天候が悪化。だがその変動が海の形成や生命の誕生に有利に。風速200mの風。二酸化炭素。酸性雨。
    • 月の火山活動は月ができた時期から25億年前くらいまで続いたと考えられている。
    • 月の水はジャイアントインパクトの際に蒸発。現在岩石に含まれる水は彗星の衝突によってもたらされた?
  • 43億8000万年前:最古の鉱物:オーストラリア西部でジルコン鉱石の結晶。粒状。
  • 43億年前:海の誕生:海ができてからほどなくして生命が誕生したと考えられている。
    • 隕石の衝突がおさまり、それまでマグマの惑星だった地球がやっと冷えてきた。隕石の衝突によって、地下から噴出した水蒸気が雨雲を作り、雨が降るように。雨によって冷やされたマグマは岩盤に。降った雨も蒸発しなくなりやがて海になった。
    • または、度重なる彗星の衝突によりもたらされた氷によって海ができたという説も。
  • 月との距離が近かったため、激しい潮流と大きな干満差が生まれ、生命の誕生に一役買った。
  • 42億8000万年前(?):最古の岩石(?):カナダのハドソン湾一帯の岩盤。
  • 42億3000万年前:古い岩石:カナダ北西部。
  • 41億年前:古細菌の出現(推定)
  • 41億年前:月に巨大隕石が衝突。ウサギ模様の出現。常に同じ面を地球に向けるように。
  • 41〜38億年前:後期重爆撃期
    • 40億年前:惑星大移動
      • 木星と土星の共鳴により、軌道が外側に移動。天王星、海王星が外側に移動。海王星は天王星よりも内側にあったが外側に弾き飛ばされた。
      • オールトの雲の形成(1500度の高温で作られるカンラン石が太陽のそばで作られ、オールトの雲の位置まで飛ばされ、彗星となって帰ってくる流れ)。エッジワース・カイパーベルト天体の軌道が確定。多くの彗星が地球を含む内惑星に降り注ぐ。
  • 40億年前:最古の海の痕跡:グリーンランドの火山岩。
    • 地球は全体が海で覆われていた。一方で火星には海と陸があった。DNAは水があると作られにくいので、火星で生まれたDNAが隕石に付着して地球に飛来し、後の生命の源になったのではという説もある。
  • 40億年前:(最後の?)全海洋蒸発:巨大隕石の衝突。
    • 1000年後:降雨開始(〜海の復活)
    • 3000年後:晴れる

地球年表

メモ

  • 生命の条件はエネルギー、水、有機物。エネルギー(太陽光や地熱)はもともとあり、やがて海ができ、最後に有機物がカイパーベルトから来た?
    • 宇宙空間で作られた有機物。地球では激しい微惑星の衝突が繰り返されたため、有機物は燃え尽きてしまった。カイパーベルトでは激しい衝突が起きなかったため、氷に閉じ込められた有機物は彗星によって地球にもたらされた。
  • 熱水噴出孔(チムニー):この周辺で最古の生命は誕生したと考えられている。硫化水素、メタン、金属などがエネルギー。
  • 生物の定義の1つに「自分を複製する。ただし複製の際に少しミスをする」というものがある。この少しのミスこそが、古代生物が我々まで進化した源。自分とまったく同じ個体がコピーされても何も進歩がない。自分とはちょっとだけ異なる個体が複製され、その中で環境に適したものだけが生き残ることで生物は進化していったのだ。「うちの子は私と違って出来が悪い」と嘆く親は世の中に多いが、その出来の悪さこそが親より子が進化している(かもしれない)証なのだ。……そんな風に思いを巡らせると楽しい。

関連リンク

参考資料


*1 ディスカバリーチャンネル「地球・46億年の大変動」より
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