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20090526/新型インフルエンザに逆に踊らされている人たち

1分つれづれコラム

新型インフルエンザに逆に踊らされている人たち

ここ数日の新型インフルエンザ騒ぎの中、2種類の極端な人間の行動が目についた。

「A.パニックに陥って、こぞってマスク売り場に殺到する人々」と
「B.そのような人々を冷めた目で見るあまりに、マスク批判を過剰に行う人々」だ。
私はその中間でフラフラし続ける人間Cでありたい。

Aの人々の姿から「メディアに踊らされやすい日本人の体質」を嘆くのは簡単だが、よりタチが悪いのはBの人々だ。
Bの人はAの人を見て「脳の思考が停止している」と揶揄するが、自分自身の脳も停止してしまっていることに気づいていない人があまりにも多すぎる。

たとえば、マスク売り場に群がる人々を嫌悪するあまりに
「おれはマスクなんかつけない」
「どうせ季節性インフルと同じだろう?」
などと、深く考えずに「なんとなく」言い切ってしまう人がいる。
周囲に、

  • マスクの効用
  • 新型インフルが従来型よりも危険な理由
  • 強毒性に変異した場合の危険性

……などを説明されても、「マスクに群がるのは悪」という固定観念にとらわれて思考が停止してしまっているので何も理解できない。
理解できないだけならその人の勝手だが、逆に周囲に「分かるように説明しろ」と上から要求しだす輩もいるからタチが悪い。

マスクをするかしないかは状況に応じて個々の人間が判断すべきことだろう。
「マスクを買うお金もあり、マスクをする手間も惜しまない」という人がインフルエンザを予防する必要を感じたならば、どんどんマスクをすればいい。正しく装着していれば、マスクをしていない場合よりも確実にリスクが軽減されるはずだ。
「新型だから不安になり予防しようと考えた」という人もいいだろう。
「新型だけどマスクはしない」という人。新型と従来型のリスクをきちんと理解したうえでの自己判断であればそれもよし。
「なんとなく大丈夫だと思う。頑としてマスクはしない。手洗いもしない」という人。幸運を祈ります。マスクに群がる人々を批判する権利はあなたにはありません。

※上の本文中では「インフルエンザ予防」全般の象徴として「マスク」という言葉を使っている面もあるが、マスクの効用を過信しすぎてもいけない。マスクはあくまでもリスクを少々軽減できるだけ。粘膜を完全に覆わない限り、完璧な予防効果はない(下記余談参照)。

(2009/5/26)

以下余談

  • 日本人がメディアに踊らされやすいのは事実で嘆かわしいことだが、マスク着用に関しては花粉症シーズンの日本ではあたりまえの文化になっているし「国際道徳に反する」とか「礼儀に反する」と言うのは逆に気にしすぎではないか。
  • もちろん、大切な相手に会いに行く際にTPOを考えるのは大事だが、一人で空港を歩く際にマスクをするかどうかは個人の自由ではないだろうか。
  • マスクを常用するのは日本とアジアの一部だけの生活習慣だそうだ。
    欧米人が「マスク姿を異様」に思い「マスクには効果がない」などと主張するのは、見慣れない風貌の人間たちが自分たちの生活圏に侵入してきたと錯覚したことから起こした集団ヒステリーの一種ではないだろうか。
  • 松本兄らが希望者にマスクを1万枚無料で発送したとのこと。善意のボランティアを「偽善」という言葉で片付ける輩には日頃から怒りを覚える私だが、今回のケースはどうにも疑問が残る。ひっかかるのは「1人1枚」というしばり。おそらく膨大な額にのぼるであろう送料で、別のボランティアができるのでは?
  • 100枚ごと100の団体等に配って有効利用してもらえば、かなりコストダウンできたのではないだろうか。文句をつけるわけではないが、少なくとも理性的で効果的な行動には思えない。
  • 私自身は外出時も百均マスクは欠かさない。「かかったら寝込めばいい」という人もいるが、数日であっても寝込みたくないので^^;
    予防接種も子供ができてから毎年受けてます。
  • 高額なマスクに群がったり、過剰に不安を煽ることはないが、リスクが少しでも減るのであれば、休校やマスク着用は妥当ではないだろうか。「マスクを着用」して「消毒液で手洗い」していればかかりにくくなることは確か。それらの行為を面倒に思うかどうかで各人の行動に差が出ているだけという面もあるのでは。
  • 「もっと高いリスクの伝染病もある」「高いリスクのものから対処すべき」という意見もあるが、早期実現が可能な対策からどんどん実行していくべきという考え方もある。コストが安い対策であったり、他者の同意が得やすい対策であったり。
  • 「弱毒性だから蔓延したっていいだろう」という意見もあるが、より広範囲に蔓延した場合の方が変異しやすいのだ。強毒性に変異させないためにも蔓延は防いだほうがいい。
  • 「弱毒性のうちにかかっておけば免疫ができるのでは?」という意見もある。確かにワクチンと同じで、型が合うものにあらかじめかかっておけば免疫はできる。ただし、強毒性のものが流行した際に、完全に型が合うかどうかはわからない。また、弱毒性だと思ってかかった時点でそのインフルエンザが強毒性に変異していたらアウト。
    参考→http://questionbox.jp.msn.com/qa2691812.html
  • 露出する粘膜の面積が減る以上、正しく装着していれば感染の確率がわずかなりとも下がるのは当たり前。また、粘膜を高温多湿に保つ働きもある。
  • 「マスクにはまったく効果がない」とマスコミで騒いでいる連中は
    「マスクをしていたってかかるときにはかかる」
    「わずかな効果しかないので過信するな」
    ということを主張したくて大げさに言っているだけ。
    マスクにかける費用対効果を、理性的に自己判断することが大事だ。
  • テレビで「マスクを買い占めた人が駅でマスクを手売り」→「割高のマスクをこぞって買い求める人々」という映像を見た。よっぽどの高性能のマスクでなければ、ガーゼを買ってくれば簡単に作れます……。手作りマスクのレクチャーをしている人もいるようです。
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