哺乳類時代
哺乳類時代の年表†
- 5500万年前(5560万年前?):哺乳類時代初頭の大異変(温暖化)
- 5500万年前:樹冠(隣同士の木の枝が重なっている場所)の出現。樹上の哺乳類にとっての楽園。食物が豊富。天敵もいない。下に下りなくてもいい。
- 5000万年前:インドがアジアに衝突し、ヒマラヤ山脈の形成が始まる。樹冠が高緯度地域まで進出し、地球が緑の星になる。
- 5000万年前:南極大陸の孤立化
- 4900万年前:地球寒冷化始まる
- 3000万年前:南極のヴォストーク湖が氷の下に
- 1200万年前:アッシュ・フォール化石層(ネブラスカ州)
哺乳類時代初頭の大異変†
- グリーンランド沖で見つかった不思議な地形。直径数キロもある巨大な穴が800個。深さは3km。
- マントル対流が陸続きだったヨーロッパとグリーンランドを引き離す。マグマがメタンハイドレートを暖め、噴出させる。海面から巨大な数キロにおよぶ巨大な火柱。
- 10〜20度もの温暖化(500万年以上温暖化が続く)。ベーリング陸橋の氷河溶ける。
- ハイエノドントが北アメリカ、ヨーロッパへ進出。ディアトリマとの頂上対決! 体重ではるかに劣るハイエノドントだが、すばやさと集団行動で勝利。ディアトリマを絶滅させる(→哺乳類時代の到来)。
南極大陸の孤立化と地球の寒冷化†
南アメリカとオーストラリアと地続きだった南極大陸から前記の2大陸が5000万年前頃から分裂。時転の影響で生まれた南極寒流によって囲まれた南極大陸にはそれまで来ていた暖流が届かなくなり寒冷化していった。その影響で地球全体が寒冷化。北緯45度の気温は32度程度だった4900万年前?をピークに徐々に下がっていき、3300万年前にはわずか5度になった。
哺乳類時代の生物†
- 5500万年前 カルポレステス
- 当時は針葉樹が中心。広葉樹は小さかった。広葉樹の果実を食べて生活。1本の木の果実を食べつくすと、いったん地上に降りて次の木に引っ越さなければいけないが、このときにハイエノドントら肉食獣の餌食になる危険性があった。だが、温暖化によりその危険がなくなった。広葉樹が巨木化。
- 5000万年前 ショショニアス
- カルポレステスから進化。目が大きくなり、顔の正面に移動。全体の視界は狭くなるが、両目の視界が重なって距離感がつかめるように(立体視)。
- 4000万年前 ワニクジラ(ジョージアケタス):2006年に後ろ足のあるイルカが日本で発見。
- 3600万年前 パラケラテリウム(インドリコテリウム)
- 史上最大のほ乳類。2400万年前まで生息。
- 3300万年前 カトピテクス
- 眼窩後壁の獲得。視細胞を増やし、視細胞が集中しているフォベアという組織を作った。視力の向上。視神経が集中している中心部は細部をはっきりと認識できる。眼球が揺れて視点がずれないように眼窩後壁ができた。
- 寒冷化によって広葉樹がどんどん減少し、餌の奪い合いに。視力がすぐれているものだけが餌を獲得できて生き残った。
- 青と緑しか判別できない二色型色覚から、赤も判別できる三色型色覚へと進化。寒冷化で餌が減少したときに、やむを得ず赤い若葉(成長した葉よりも毒素や繊維質が少ないので食べやすい)を食べたため。形が同じなので赤色が判別できたほうが有利。
- 現在の哺乳類のほとんどは赤を判別できない。草食動物の目は視野を広くするために両脇に、肉食動物の目は獲物を追いかけるために正面に付いている。
- フォベアを獲得したことで、現在の真猿類(ゴリラ、チンパンジー、テングザルなど)は豊かな表情を獲得(表情筋の発達)。高い視力のおかげで相手の表情を読み取れる。瞬時に仲間と意思の疎通を図れる。
- 白目は霊長類の中でヒトだけが持っている。野生動物が白目を持っていたとしたら相手に視線を読まれてしまって攻撃箇所を知られてしまうので不利。人間は争いの少ない世界を実現し、その不利を克服。相手に視線の先という情報を伝達できるようになった。
- 1500万年前 ウマゴリラ(カリコテリウム)
- 1300万年前 プラティベロドン:下あごが異常にしゃくれている。
参考資料†
- NHK「地球大進化」
- TBS「教科書にのせたい!」